つい先日、MVアグスタと言う禁断の果実を契約した。
思えば、今までいつも人と違うものを欲しがり、中古になった瞬間、リセールも無いガラクタに魅力を感じてしまうこじれた性格(笑)
いや、自分でもわかっている。
この性分をなんとかしなければならない。
しかし、マイノリティにはマイノリティにしかないものが宿っている。
人気商品には、価格訴求力、安定、安心、丈夫さ、利便性が全て備わっている。
トヨタ然り、ホンダの二輪然り。
とびきり普通の私が、普通でいたくないと願うのは、目立ちたいと言う承認欲求がどこかにあるのかもしれない。
それだけに、2年前にセローを新車で買った自分を褒めたいし、我ながらやっと大人になったなとも思った。
事実、そのおかげで今回のバイク購入の際の下取りも、十分納得できる値がついた。
それなのに、また走る宝石などと言う謳い文句に騙されて、800ccなのにとんでもない価格の輸入車を買ってしまった。
ほぼ確実に故障するから誰も買わないのに、カッコよくて珍しいと言う、ただそれだけが購入動機(笑)
全く困ったものだ。
今回はメーカーの新車3年保証にプラスしてオプションで2年保証を付けた。
都合5年の保証と言えど、そこまでメーカーが日本から撤退しない保証もない。
思えば過去にSAABをはじめ日本から撤退したメーカーは少なくない。
向こうも会社だから商売にならないと思えば簡単に撤退を決断する。
最初、グチ子を買った時に、絶対買えないであろうカリフォルニア1400に憧れを抱いていたが、スーパーヴェローチェはそれを遥かに上回る価格。
いったい何がどうしたと言うのか。
生涯に一度だけSSに乗ってみたいと言う願望はあったにしても、新車である必要もないし、リセールを無視して250万以上もするバイクを買う必要などあるはずが無い。
事実、中古でも国産車の人気車種を買っておけば、支払いがキツくなったとしても十分なリセールを見込める。
この歳になっても、なぜそれが出来ないのか。
もちろん、国産SSのリセールの絶対的な安定感も知っている。
人気があると言うことは売れていると言うことで、球数もそれなりにある。
球数が少ない国産の人気車種でも、中古になればアグスタの新車よりもずいぶん安い。
思うに、そもそも私の所有欲は一般の人には判られたくないというこじれた性格のせい。
せめて持ち物ぐらい特別でありたいと言う願望がそこに詰め込まれている。
人前で威張りたい人は、誰もが憧れる高額な物を見せびらかすように持っている。
ところが私は、誰にも羨ましがられない物を欲しがる傾向にある。
マニアックなモノづくりをする側は、誰かの胸に刺さればいいと思って作っている。
それにまんまと引っかかる59歳児。今年還暦😭
昔から、故障で有名な車を買って、直しながら乗り、周りから羨ましがられた経験も災いしているのかもしれない。
今回も、保証付きとは言え、あまり壊れずに長く乗れればきっと誰かが羨ましく思ってくれるかもしれない。
とにかく買わずにいられなかったのが、誰も触れてはいけない棘を持った美しさ。
艶かしいと言う言葉しか見当たらない。
来月納車になる彼女と、どこまで付き合えるのか楽しみだ。