この問いは全てのモノに共通し、また全ての人々に感覚の違いがあるものです。
バイクの話の前に、車の話を少しだけ。
私は無類のクルマ好きです。
昔の好きとはかなり形が変わりましたが、今でも気になる車を見かけると振り返ってしまう。
550ccのジムニーから5,700ccのコルベットまで種々様々を所有したから言えることがあります。
私の場合、それはその時々によっていいクルマの定義が変化するということ。
昔は速くなくてはクルマじゃないとさえ思っていたし、許す限り車にお金を注ぎ込みました。
今は、大人っぽくて、安心できて、デザインに遊び心を忘れていないクルマ。
走りもオッサンカー並みの動力性能では満足できないので、少しは速く走りたい。
つまり、その条件を満たすのは必然的に輸入車となってしまいます。
そしてタイトルの『いいバイクとは』の問いには
今の私にとっては、肩肘張らずロングツーリングでも安心できて、オシャレでいて主張せず、時々遊んでも不安の無いバイク。
となります。
おそらく、数多あるバイク生産国からイタリア製を選び、数多あるバイクメーカーから近年のモトグッツィをはじき出したオーナーの方々は、バイクに対してどれだけ玄人でも、私とほぼ同じ理由で選んだのではないかと思います。
他の趣味が無ければ、オールドグッツィにも乗ってみたい。
そんな気持ちにさせるモトグッツィ。
あまりバイクに詳しくはありませんが、ここまで明確な理由を持って選ばれるメーカーは今や非常に稀有な存在だと思います。
速くて安全なバイクはたくさんあります。
とても高価で所有欲を満たしたり、カミソリのような切れ味のスーパースポーツ市販車もあります。
しかしそのどれでもない。
新車は安くないのに、下取り価格は最悪(笑)けっして所有欲は満たしてくれません。
しかし、憧れの1400カリフォルニアの系統を除けば、ひょいと乗ってコンビニにも行けてしまう軽快さが、このモトグッツィの真骨頂のような気がします。